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不動産管理法人REAL ESTATE MANAGEMENT CORPORATION

不動産管理会社

「不動産管理法人って、節税に使えるらしいよ!?」という話を聞いたことのある不動産オーナーの方は多いと思います。お客様からも「本当に節税になるの?」というご質問をいただきます。 不動産管理法人は、節税になります。でも、きちんと考えて上手に運営しないと、得するどころか損することもあります。まずは不動産管理法人のことを、きちんと知るところから始めることが大切です。

1. そもそも不動産管理法人って、なに?

不動産オーナーの持つ不動産を保有したり管理したりすることを目的とする会社のことを、不動産管理会社といいます。

2. 不動産管理法人を作ると、なんで節税になるの?

節税を目的として不動産管理会社が設立される場合、主な節税効果は次の5つになります。

【1】 オーナーの不動産収入を分散する

所得税の税率は、利益が多ければ多いほど上がっていきます。税率は、利益が増えることに、5%〜45%まで増えていきます。これを回避するためには収入を分散することが効果的です。 例えば一人で1,000万円の利益があるよりも、二人で500万円ずつの利益がある方がトータルの税金は少なくなります。1,000万円に対する税率よりも、500万円に対する税率の方が低いからです。一人で高い税率の方よりも、低い税率が二人分の方が、税負担が小さくなります。人ではありませんが、不動産管理会社を持つことも同様で、収入の分散を図ることができるのです。

【2】 給与所得控除という概算経費を利用する

不動産管理会社に入ってきた収入は、今度は「給料」という形で別の人に分散することができます。不動産管理会社からの給与は、払う側では全部が経費になりますが、もらう側では全部に税金がかかるわけではありません。給料からは「給与所得控除」という概算経費がさしひかれます。概算経費とは、とても簡単に説明すれば、「たとえ経費としてお金が出て行っていなくても、経費として収入から差し引くことができるもの」ということができます。経費の上乗せとして機能する概算経費は、そのまま節税につながるのです。

例えば、会社が年間100万円の給料を支払う場合、会社の経費は100万円まるまるが計上されますが、もらう側では100万円から少なくとも65万円の「給与所得控除」が差し引かれ、35万円だけが税金の対象となっていくことになります。さらに「給与所得控除額」は、給料の金額が多ければ多いほど増えていくので(上限はあります)、給料の金額が多いほど節税効果が大きくなります。

【3】 不動産にはいってくる収入を分散する

さらに「給料」という形で別の人に分散することにより、生前贈与と同様の効果も狙うことができます。もちろん給料をもらう人は、何らかの形で不動産管理会社で働いていることが前提ですが、会社の給料という形で収入を分散することにより、贈与として財産を移転するより低い税負担で財産を移すことができるのです。

【4】 所得税の最高税率よりも、法人税の税率の方がはるかに低い

法人税の税率は、高くても25.5%ですが(中小法人の場合)、所得税の税率は最高45%にもなります。もし不動産から得られる個人の税金を、法人に移転することができれば、それだけでも大きな節税になります。

【5】 法人でしかできない節税対策ができるようになる

例えば倒産防止掛金という保険があります。これは40カ月以上かけ続けていれば解約時に全額がもどってくる保険商品の一種ですが、解約したときに戻るにも関わらず、支払ったときに全額が経費となる珍しい商品です。そしてこの商品は、不動産経営のみを行う個人の場合には加入することはできず、不動産管理会社を設立して初めて加入が可能となるものです。倒産防止掛金に加入すれば、年間最大240万円の経費を計上することができ、これがそのまま節税になります。 会社を作ることにより、このようなメリットを多く得ることができます。

3. 節税の具体例

不動産管理法人の節税メリットを、具体例でみてみましょう。

【1】 オーナーの不動産収入を分散する

アパートを2棟持っている男性が登場人物です。 ちなみに、個人である男性には所得税が、会社である法人には法人税がかかります。 (単純化するため所得控除はないものとします。会社は中小法人とします。また、住民税等の地方税もここでは考えません。)

(1)前提 

@家族構成 独身男性一人

A不動産収入 年間収入1,200万円のアパートが2棟、合計2,400万円

B不動産経費 アパート1棟ごとに500万円、合計1,000万円

C不動産管理法人の利用方法 アパート1棟を不動産管理法人へ移行

 

(2)移行前の所得税 

@男性(所得税)

利益 収入2,400万円−経費1,000万円=利益1,400万円

税額 利益1,400万円×税率33%−153.6万円=3,084,000円

 

(3)移行後の所得税 

@男性(所得税)

利益 収入1,200万円−経費500万円=利益700万円

税額 利益700万円×税率23%−63.6万円=974,000円

A不動産管理会社(法人税)

利益 収入1,200万円−経費500万円=利益700万円

税額 利益700万円×税率15%=1,050,000円

Bトータル税額

974,000+1,050,000=2,024,000円

 

(4)差額 

3,084,000−2,024,000=1,060,000円

100万円以上の差が出ました

 

【2】 給与所得控除という概算経費を利用する

独身だった男性は結婚しました。

(1)前提 

@家族構成 夫婦二人、妻は専業主婦

A不動産収入 年間収入1,200万円のアパートが2棟、1棟を男性が所有、もう1棟は不動産管理法人が所有、合計2,400万円

B不動産経費 アパート1棟ごとに500万円、合計1,000万円

C不動産管理法人の利用方法 専業主婦だった妻に不動産の管理を任せ、不動産管理法人の利益を全て妻へ給与として支払う

 

(2)移行前の所得税 

@男性(所得税)

利益 収入1,200万円−経費500万円=利益700万円

税額 利益700万円×税率23%−63.6万円=974,000円

A不動産管理会社(法人税)

利益 収入1,200万円−経費500万円=利益700万円

税額 利益700万円×税率15%=1,050,000円

Bトータル税額

974,000+1,050,000=2,024,000円

 

(3)移行後の所得税 

@男性(所得税)

利益 収入1,200万円−経費500万円=利益700万円

税額 利益700万円×税率23%−63.6万円=974,000円(変わらず)

A不動産管理会社(法人税)

利益 収入1,200万円−経費500万円−給与700万円=利益0円

税額 利益0万円×税率15%=0円

B女性(所得税)

利益 収入700万円−経費(給与所得控除)190万円=利益510万円

税額 利益510万円×税率20%−42.75万円=592,500円

Cトータル税額

974,000+0+592,500=1,566,500円

 

(4)差額 

2,024,000−1,566,500=457,500円

さらに50万円近くの差が出ました

 

【3】 不動産にはいってくる収入を分散する

夫婦に子供が生まれ、やがて成人しました。

(1)前提 

@家族構成 親子三人

A不動産収入 年間収入1,200万円のアパートが2棟、1棟を男性が所有、もう1棟は不動産管理法人が所有、合計2,400万円

B不動産経費 アパート1棟ごとに500万円、合計1,000万円

C不動産管理法人の利用方法 アパートを2棟とも不動産管理法人に移管、自分と妻に500万円ずつ給与を支払い、残りの利益400万円を子供に贈与することを考えていたが、給与として支払うことも比較し検討している

 

(2)子供に400万円贈与した場合 

@子供(贈与税)

贈与税額 (400万円−110万円)×税率20%−25万円=330,000円

(3)子供に400万円給与を支給した場合 

@子供(所得税)

利益 収入400万円−経費(給与所得控除)138万円=利益262万円

税額 利益262万円×税率10%−9.75万円=164,500円

(4)差額

330,000−164,500=165,500円

2倍以上の税額の差が出ました